カスタム槐の話
また、万年筆の話。そして、また、パイロットコーポレーション製品の話。気に入ったものの話をしているだけで、一切の利害関係はありません。ちなみに、高価格帯万年筆をあまりアマゾン等で買うのが好きではなく、アフターサービスや調整ができるお店から買います。
今回はカスタム槐のMニブです。
軸に槐(えんじゅ)の木材を使用した万年筆で、ややマットな木肌(使っているうちに良い意味でツヤが出ます)と若干のざらつき(こちらも使っていると均されてきます)が木材らしさを感じさせてくれます。よく、野球のバットやウイスキー樽から作った筆記用具がありますが、それらとは少し違って、あれほどまでツルツルとした表面ではないです。同じように圧縮加工した木だとは思うのですが。「延寿」という表記をされることもあるように縁起のいい木です。既に販売終了になってしまいましたが、カスタム一位の木というものもありまして、元々は名前的にそちらが欲しかったという経緯もあります。が、槐で十分に満足しています。
ペン先は15号というサイズでパイロット製品の中では上から2番目。大きなペン先が荷重をしっかりと受け止めてくれます。カスタム743とペン先は同じサイズになりますが、カスタム743は14金、こちらは18金。また、外観上の違いとしてバイカラーといって、いわゆるツートンカラーなんですが、金と銀で色味が分かれていておしゃれです。全面金もカッコいいのですが、銀が入ることでメリハリが出てあっさり系の良さが出ますね。好き。
わかりにくいけどフチがゴールドで中心部がシルバーになっています。
小さいポイントですが、パイロットの万年筆って基本的にキャップのクリップは先端を丸くしてあるのですが、このカスタム槐はいわゆる普通のクリップです。理由は少しばかり調べましたがわかりません。
キャップを反対側につけるとき、木材ゆえにキャップ内に付着したインクが軸に付着して落ちにくくなってしまうのがやや気になりますが、それも含めて味といえるのかもしれませんね。書いていては文句なしに良いです。ケースなどに入れたりせずにラフに持ち歩いて使い倒すということであれば、カスタム743のほうがフレンドリーというか、気兼ねなく使えるような気がします。